2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18048027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 博英 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (20423014)
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Keywords | シンセティックバイオロジー / 人工蛋白質 / RNA / 進化分子工学 / 人工細胞 |
Research Abstract |
本研究代表者は、「試験管内進化法」の技術を用いて、RNAや蛋白質の実験進化研究を進めてきた。本年度は、人工蛋白質を創成する新規技術、「モチーフ・プログラミング」を開発した(Saito et al.,Nucleic Acids Res,2007)。この技術から、蛋白質に内在する機能や構造に関連した短いペプチドモチーフを基板材料として、生体内で作用する多機能性人工蛋白質を創製することができる。このモチーフ・プログラミングにより、細胞死制御蛋白質Bcl-xL及びNoxaからBH1-BH4モチーフを抽出し、これらモチーフをランダムに出現する蛋白質ライブラリーを作成した。人工蛋白質の機能を解析した結果、比較的少数の蛋白質集団(28種類)から、細胞死を正負に制御する逆の機能をもった蛋白質が得られた(未発表データ)。この内一つの人工蛋白質は、天然蛋白質同様に、Bcl-2ファミリーに作用してミトコンドリア経路でのアポトーシスを誘導することがわかった。このことは「ペプチドモチーフ」の効果的配置が、蛋白質ネットワークの形成に重要な役割を果たしたことを示唆している。また、人工遺伝子ネットワークを内包した人工細胞モデル開発のため、まず無細胞蛋白質合成系を内包したリポソームを作成し、蛍光蛋白質の発現過程をリアルタイムで追えるシステムの開発に成功した(未発表データ)。このシステムでは、全てのリポソームに翻訳システムが内包されるため、モデル細胞内部での蛋白質発現定量のkineticsが容易になると考えられる。
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Research Products
(4 results)