2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工細胞モデル構築のためのRNA転写後修飾複合体装置の試験管内再構成
Project/Area Number |
18048032
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀 弘幸 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (20256960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 洋一 東京大学, 大学院医学研究科, 助教授 (90323568)
富田 耕造 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究グループ長 (00345274)
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Keywords | 核酸 / 酵素 / 生体分子 / ゲノム / 進化 |
Research Abstract |
生体内で、RNAが生理作用を発揮するためには、RNA修飾、スプライシング、プロセシングといった様々な編集・加工の工程(転写後修飾)を経る必要があります。転写後修飾は、様々なタンパク質が経時的に前駆体RNAにアッセンブリし、作用することにより起こります。本申請は、この転写後修飾装置を試験管内で再構成し、その基本システムを解明することを目標としました。 (1)TrmHに保存されている塩基性アミノ酸残基に着目し、アラニン変異体をシステマチックに作成し、tRNAとの相互作用を調べた。とくに、Kd値とKm値の違いに着目することにより、tRNAの初期結合部位と触媒メカニズムの進行にともなってRNAが結合する作用部位を識別することに成功した。 (2)TrmH-AdoMet-tRNA三者複合体を調製するため、TrmHの認識部位の一部がデオキシ体となったキメラRNA-DNA核酸を合成した。これらのうち、いくっかは触媒反応の進行をくい止める効果があり、反応中間体に近い複合体形成に成功した。 (3)Aquifex aeolicus由来TrmDが全く新規なRNA認識機構をもつTrmDであることを報告した。とくに、本酵素はアンチコドンアームを含むマイクロヘリックスRNAを基質にできることから、RNA修飾複合体形成への道筋が拓けた。 (4)無細胞翻訳系を利用して補因子結合タンパク質のアポタンパク質を生産し、補因子結合に伴う構造変化を追跡する過程で、未修飾サプレッサーtRNAを利用した非天然アミノ酸導入システムの開発に成功した。 (5)無細胞翻訳系により、ヘテロサブユニットRNA修飾酵素(Trm8-Trm82)の試験管内合成に成功した。 (6)(5)で合成した酵素の基質RNA認識を調べたところ、真核生物由来の本酵素は、真正細菌由来酵素に比較して、一より厳密にG46を認識していることが判った。
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Research Products
(8 results)