2006 Fiscal Year Annual Research Report
光ピンセットを用いた一次繊毛におけるフェムトニュートンレベルの機能解析
Project/Area Number |
18048038
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
原田 義規 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10381956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40154900)
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Keywords | 繊毛 / 光ピンセット |
Research Abstract |
腎尿細管上皮細胞の膜上面に存在する一次繊毛は、細胞外の流れ(尿流)のセンサーとして働き、一次繊毛の異常が腎嚢胞などの病態と関わっていると報告されているが、詳細は不明である。本研究においては、光ピンセットを用いて、個々の一次繊毛をin situで捕捉し微小な応力を加え、一次繊毛単体への機械的刺激の影響を検討している。一次繊毛は細胞上面に垂直に伸びるように存在し、通常の観察方法では見ることができないが、我々はflexible substratum method(JCS 89 457,1988)を悪用することにより、一次繊毛をリアルタイムで可視化した。すなわち、60mm培養皿内に薄いflexible plastic sheetを作成し、腎尿細管上皮細胞をsheet上で約5日間培養後、sheetを折曲げ顕微鏡下に固定し、培養栽培の側面観察を行うことにより一次繊毛を観察可能であった。また、光ピンセットシステム(Nd: YAG laser)を構築し、flexible substratum methodにて可視化された一次繊毛の捕捉を試み、一次繊毛にピコニュートンレベル以下の微小応力を加えることが可能となった。つまり、一次繊毛先端を光ピンセットシステムにて捕捉後、ステージをピエゾポジショニングシステムにて移動し、一次繊毛に微小応力を自由に加えることが可能であった。本方法は細胞上面の細胞膜に影響を与えずに、一次繊毛という細胞小器官単体に特異的に機械的刺激を加えることが可能なため、多発性嚢胞腎におけるメカノセンサーとしての一次繊毛の役割解明に応用できると考えられる。
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Research Products
(4 results)