2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18050002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 鎮次 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (70294973)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / 膜輸送 / Pirh2 / ユビキチンリガーゼ |
Research Abstract |
研究成果報告書 多くの細胞質・核質に存在するタンパク質の分解にユビキチン・プロテアソーム系が関与している。そして、標的タンパク質のユビキチン化に必要な酵素群の中で、特にユビキチンリガーゼE3は標的タンパク質を認識し、最終的にユビキチンを付加する重要な酵素サブユニットである。最近になり、ユビキチン化タンパク質修飾が分解のためのシグナルだけではなく膜輸送(メンブラントラフィック)に重要な機能を有することが報告されている。申請者はPirh2(p53をユビキチン化するE3)が、細胞内膜輸送に関与するε-COPと相互作用することを見出しており、本申請課題においては、Pirh2による細胞内膜輸送関連タンパク質のユビキチン化の機能を解明することを目的とする。 in vivo結合実験を行なったところ、PIRH2とε-COPの共沈が認められた。さらにPIRH2がε-COPをユビキチン化するかを確認するためにin vitroユビキチン化アッセイを行なったところ、PIRH2を添加時にのみ、ε-COPのポリユビキチン化が認められた。さらに細胞内でε-COPのユビキチン化が起こっているかを確認するためにin vivoユビキチン化アッセイを行なったところ、PIRH2の共発現によりε-COPのユビキチン化の増強が認められた。これらの結果により、PIRH2の過剰発現がε-COPのユビキチン化を引き起こすことが判明した。さらに、in vivoでのε-COPの分解においてPIRH2がいかに作用するかを調べるためパルスチェイス法を行ったところ、野生型のPIRH2はε-COPの分解を亢進し、逆に変異型のPIRH2はε-COPの分解を遅延させることが明らかとなった。これらの結果は、PIRH2が細胞内のε-COPの安定性に関与していることを示している。
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