2006 Fiscal Year Annual Research Report
エンドソームにおける膜輸送の蛋白質脱ユビキチン化による調節
Project/Area Number |
18050011
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
駒田 雅之 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (10225568)
|
Keywords | 癌 / 酵素 / 細胞・組織 / 蛋白質 |
Research Abstract |
エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれた細胞膜タンパク質のリソソームへの選別輸送において、その細胞膜タンパク質のユビキチン化がエンドソームからリソソームへの選別輸送シグナルとして働く。本研究課題では、エンドソームに局在する脱ユビキチン化酵素UBPYの機能解析を行った。 優性不能型変異体やsiRNAを発現させてUBPYの機能を阻害した細胞において、初期エンドソームにユビキチン化されたタンパク質が蓄積し、エンドソームの形態変化が引き起こされることを見出した。電子顕微鏡による観察の結果、この形態変化はエンドソームの異常凝集であることが明らかとなった。したがってUBPYによる初期エンドソーム上のタンパク質のユビキチン化レベルの調節がエンドソームの形態の維持に不可欠であることが明らかとなった。またUBPYの機能を阻害した細胞において、Hrs-STAM複合体と相互作用して膜タンパク質のリソソームへの選別輸送に関与するタンパク質Epsl5のユビキチン化レベルが上昇しており、これが初期エンドソームの凝集を引き起こす原因となっている可能性が示唆された。 UBPYの機能を阻害した細胞に蓄積したユビキチン化タンパク質は、本来UBPYによって脱ユビキチン化されるその基質タンパク質であると予想される。そこでその同定を目的とし、蓄積したユビキチン化タンパク質の網羅的なプロテオーム解析を行った。その結果、300種類程度のタンパク質をUBPYの基質候補として同定した。今後これらの基質候補タンパク質の解析を通じて、エンドソームにおける膜輸送のタンパク質脱ユビキチン化による調節機構を解明していく予定である。
|