2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18050012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50115929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 秋一 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60282232)
大崎 雄樹 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (00378027)
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Keywords | 急速凍結 / ラフト / 膜脂質 / 凍結割断レプリカ法 |
Research Abstract |
イノシトール燐脂質(PIs)分布の解析は膜トラフィックを理解する上で重要であるが,従来用いられてきたPIs結合ドメインとGFPの融合蛋白質による生細胞の解析は人工産物の危険性がある上,空間分解能が低く,二次元的分布に関する詳細な情報は得られない.一方,通常の免疫電顕に使われるアルデヒド系の化学固定剤は,蛋白質には作用するが,脂質との反応性はほとんどない.また仮に脂質と反応する固定剤を用いたとしても,化学反応には少なくとも秒単位の時間が掛かるため,in situの脂質局在をそのままの状態で保存できるとは考えにくい.さらに膜蛋白質にっいて報告されているように,固定した後の試料でも,標識に用いる抗体による分子間の架橋が抗原の人工的な分布変化をもたらすことが懸念される.これらの問題点を克服するため,我々は急速凍結した細胞膜を白金・カーボン薄膜で物理的に固定する凍結割断レプリカを用い,PIsの超微局在を可視化し,定量的に解析する方法の確立を目指して実験を行った. 1)凍結割断レプリカ上でPIsと特異的に結合するプローブを作製した.生化学的実験などで上記PIsとの結合特異性が報告されている種々の蛋白質ドメインとGSTの融合蛋白質を作製し,PCをベースとするリボソームの凍結割断レプリカを作製して結合特異性を確かめた. 2)凍結割断レプリカの作製方法を検討し,上記プローブとの反応性にすぐれたレプリカの作製方法を確立した. 3)培養細胞の急速凍結法,凍結割断法について比較検討し,細胞膜,細胞内膜系のレプリカを効率的に得る方法を確立した. 上記1)-3)の方法を用いて,種々の条件下の細胞におけるPIsの超微局在について定量的な解析を進めている.
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Research Products
(4 results)