2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18050012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50115929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 秋一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60282232)
大崎 雄樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00378027)
鈴木 倫毅 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (80456649)
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Keywords | イノシトール燐脂質 / 凍結割断 / 急速凍結 / カベオラ |
Research Abstract |
ホスファチジルイノシトール(PI)のイノシトール基の3,4,5位が燐酸化されることによって生じるイノシトール燐脂質(PIs)は,細胞内小胞輸送やシグナル伝達に重要な役割を果たすことが知られている.PIsの膜内二次元分布をナノスケールで解析し,細胞内超微構造との関連を明らかにすることはPIsの生理的機能をさらに詳細に理解するために重要である.従来の方法では微細な脂質局在を解明することが原理的に困難であると考えられるため,我々は急速凍結した細胞膜を白金・カーボン薄膜で物理的に固定する凍結割断レプリカを用いてPIsの超微局在を可視化し,定量的に解析する方法を創出した.既に昨年度までの研究で特異性,標識効率性などが十分に確保された PI(4,5)P2に対するプローブ(GST-PH)を用いて,急速凍結して得た培養細胞のレプリカを標識,解析した.その結果,平坦な細胞膜のPI(4,5)P2は弱いクラスターを形成して存在すること,上記のクラスターはコレステロール抽出でやや低下するが,アクチン脱重合でほぼ完璧に消滅すること,PI(4,5)P2は特にカベオラ周囲に顕著に集中すること,細胞内カルシウム上昇によって標識は激減するが,生理的リガンドによる刺激ではカベオラ周囲のPI(4,5)P2が保たれる場合が多いことなどが明らかとなった.これらの結果は生細胞でのPI(4,5)P2の分布をナノスケールで初めて明らかにしたものであり,カベオラが平坦な細胞膜部分とは異なる特殊な領域を形成することを示した点で重要である.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Gangliosides GM1 and GM3 in the living cell membrane form clusters susceptible to chole sterol depletion and chilling2007
Author(s)
Fujita, A., Cheng, J., Hirakawa, M., Furukawa, K., Kusunoki, S., Fujimoto, T.
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Journal Title
Mol. Biol. Cell 18
Pages: 2812-2822
Peer Reviewed
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