2007 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラとAtg分子の動態解析によるペキソファジー高次機能発現機構の解明
Project/Area Number |
18050016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (60202082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 義孝 京都大学, 農学研究科, 講師 (80293918)
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Keywords | オートファジー / ペルオキシソーム / ペキソファジー / メタノール酵母 / ATG26 / 病原性 / Trm1 / ウリ類炭疽病菌 |
Research Abstract |
ペルオキシソーム形成過程にもかかわらず、活性化が起きる新規のオートファジー経路であるMethanol-induced autophagy(MIA)を発見した。MIAは、細胞内において効率的にタンパク質合成ならびにペルオキシソーム形成を行わせるために必要であることを明らかにした。メタノール誘導はグルコース脱抑制とメタノール特異的誘導の2種類の制御を受けるが、メタノール特異的誘導に関わる転写活性化因子Trm1pの同定に成功した。このTrm1が、新規オートファジー経路MIAの進行に関与することを明らかにした。さらにMIAは、Atg26の支配下にあることを示した。Atg26が支配する選択的オートファジー経路であるペキソファジーには、新生する膜構造の全く異なる2つの経路、ミクロペキソファジーとマクロペキソファジーがあり、両経路のスイッチングに関する制御機構に細胞内ATPレベルの動態が強い関連を示すことを明らかにした。さらに、植物病原菌(ウリ類炭疽病菌)のATG26破壊株の詳細な解析より、侵入器官細胞においてATG26依存的なペキソファジーが起こり、この選択的オートファジーが、侵入器官細胞の機能発現に関与していることを初めて明らかにした。本菌におけるペルオキシソーム代謝機能が、侵入器官細胞の分化段階に必要である事実とあわせると、感染樹立プロセスにおけるペルオキシソームホメオスタシスの重要性が強く示唆された。
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Research Products
(6 results)