2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18050017
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
匂坂 敏朗 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80359843)
|
Keywords | 神経軸索形成 / 小胞輸送 / Rap1低分子量Gタンパク質 |
Research Abstract |
神経機能の発現において、小胞輸送はシナプスでの神経伝達物質の放出や軸索の選択と伸長に重要な働きをしている。軸索の選択には、神経突起先端部の受容体から核までシグナルを伝達する必要があり、このシグナル伝達には小胞輸送が関与している。また、軸索が急速に伸長するには、小胞輸送により膜成分が軸索の先導端へ選択的に運ばれて、そこで膜が融合し、さらにそこでのアクチン細胞骨格などの再編成により、軸索の伸長が起こる。この軸索の選択・伸長には、Rap1低分子量Gタンパク質が関与していることが示唆されている。本年度の研究では、この軸索形成の分子メカニズムについて、小胞輸送によるRap1の活性化に焦点をあてて解析し、以下の結果を得た。 1)Nerve growth factor(NGF)によるRap1の持続的な活性化に、NGFの受容体であるtropomyosin related kinase A(TrkA)受容体の後期エンドソームへの輸送が関与していた。 2)TrkA受容体の初期エンドソームから後期エンドソームへの輸送阻害によりRap1の活性化が抑制され、軸索の伸長を抑制した。 3)後期エンドソーム上でのRap1の活性化には、活性化因子であるPDZ-GEF1が関与していた。 このように本年度は、小胞輸送によるRap1の活性化の分子メカニズムについて、当初の計画以上の成果をあげることが出来た。
|
Research Products
(4 results)