2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18050022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 Osaka University, 微生物病研究所, 特任准教授 (80222173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久堀 智子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教 (20397657)
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Keywords | レジオネラ / IV型分泌 / ユビキチン / メンブレントラフィック |
Research Abstract |
レジオネラによる肺炎は汚染された温泉などを原因とするアウトブレイクで問題となっている新興感染症である。レジオネラは貧食作用により宿主細胞に侵入するが、レジオネラを含むファゴソームはリソソームとの融合を回避し、形態的にrERに良く似たオルガネラへと変化する。このファゴソーム改変はレジオネラが持つIV型分泌系により宿主細胞内へ輸送される細菌由来の機能性タンパク質(エフェクター)により引き起こされるが、その分子機構はほとんどわかっていない。本研究ではレジオネラによるファゴソーム改変のメカニズムに迫ることを最終目標とし、昨年度に引き続きER-Golgiに局在するエフェクターLubxとその相互作用パートナーである宿主Clklキナーゼに関して以下の研究を行った。1)昨年度にLubXは二つのU-box様ドメインを持ちE3ユビキチンリガーゼとして機能することを明らかにした。この二つのU-boxのうちひとつが基質であるclk1と結合することを明らかにした。2)宿主細胞中でのLubxのER-Golgiへの局在には、LubxのC末ドメインが必須であることを明らかにした。3)昨年度Clklキナーゼ阻害剤を作用させるとマクロファージ中でのレジオネラ増殖を強く阻害することを明らかにした。Clklキナーゼ阻害剤は感染初期におけるレジオネラファゴソ-ム・リソソーム融合の阻害には影響を与えなかった。しかしながら感染後期においてレジオネラ含有バキュオール(LCV)中のレジオネラ数が顕著に減少していた。今後、これがLCV成熟の近れに起因するのか、あるいはLCV中での増殖自体がなんらかの影響を受けているのかを明らかにしていきたい。
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