2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞における極性輸送を支える新しいトラフィック制御機構
Project/Area Number |
18050034
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柚崎 通介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40365226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 恵子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40383765)
松田 信爾 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60321816)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / 軸索 / 樹状突起 / 小胞輸送 / 極性 / 神経細胞 |
Research Abstract |
神経細胞は、樹状突起と軸索という、機能的・構造的に大きく異なった領域をもった極性細胞である。哺乳類の神経細胞における情報伝達は、軸索末端から放出されるグルタミン酸が、樹状突起上の細胞膜に存在するグルタミン酸受容体に結合することにより成立する。したがって、神経細胞の極性とその維持は、神経細胞の情報伝達と記憶維持の発現に必須である。近年、神経細胞の極性形成機構については大幅に解明が進んだが、極性にしたがって膜タンパク質が樹状突起や軸索へ選択的に輸送される分子機構については、ほとんど分かっていない。私たちは、アダプタータンパク質AP-4が、AMPA型グルタミン酸受容体の関連タンパク質TARPに結合することによって樹状突起へ極性輸送を制御することを世界に先駆けて明らかにした(論文投稿中)。また実際にAP-4ノックアウトマウスにおいては軸索にまでAMPA型グルタミン酸受容体が誤輸送されることが判明した。一方、NMDA型グルタミン酸受容体や代謝型グルタミン酸受容体は、AP-4ノックアウトマウスにおいても樹状突起に選択輸送されることから、AP-4に依存しない極性輸送系も存在し、今後の解明が必要である。 樹状突起に極性輸送されたグルタミン酸受容体は、局所におけるエンドサイトーシスやエキソサイトーシスによって、その数が厳密に制御されている。私たちは、デルタ型受容体のC末端部(J.Biol.Chem.,281,17501-17509,2006)や、その部分に結合するアンカータンパク質のパルミトイル化(J.Biol.Chem.,281,25577-25587,2006)が、この過程に重要であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The extreme C-terminus of GluRdelta2 is essential for induction of long-term depression in cerebellar slices2007
Author(s)
Kohda, K., Kakegawa, W., Matsuda, S., Nakagami, R., Kakiya, N., Yuzaki, M
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Journal Title
European Journal of Neuroscience (in press)
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