2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂質特異的プローブを用いた細胞内脂質の分布と動態の解析
Project/Area Number |
18050040
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小林 俊秀 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 主任研究員 (60162004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 邦彦 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 基礎科学特別研究員 (30391874)
村手 源英 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (30311369)
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Keywords | エンドサイトーシス / 脂質ラフト / 脂質プローブ / コレステロール / エンドソーム / 蛍光標識脂質 / スフィンゴミエリン / ビス(モノアシルグリセロ)リン酸 |
Research Abstract |
平成18年度は以下のような脂質プローブの性状解析とプローブを用いた細胞内脂質の動態の解析を行った。 1)スフィンゴミエリン特異的タンパク質、ライセニンの性状解析。ライセニンはクラスターを形成しているスフィンゴミエリンを特異的に認識するタンパク質である。スフィンゴミエリンはコレステロールと複合体を形成することが知られているが、ライセニンによるスフィンゴミエリンの認識に対するコレステロールの影響はわかっていない。われわれはモデル膜を用いた実験によりコレステロールはライセニンのスフィンゴミエリンの認識には影響を与えないが、コレステロールはライセニンのオリゴマー化を促進することを見出した。 2)ビス(モノアシルグリセロ)リン酸(BMP)特異的抗体を用いた細胞内コレステロール輸送の解析。BMPは後期エンドソームに特異的に存在するリン脂質でBMPの形成する膜ドメインは後期エンドソームからの物質輸送に重要な役割を果たしていると考えられる。BMP特異的抗体を用いることによりBMPドメインが細胞内コレステロールの細胞外への放出を制御していることが示された。 3)蛍光標識脂質のエンドサイトーシス。蛍光標識スフィンゴ糖脂質類似体はカベオレを経由してエンドサイトーシスされる。蛍光標識したラクトシルセラミドを用い、カベオレ経由のエンドサイトーシスには糖脂質のスフィンゴシン部分の立体配置が重要であることが示された。分子モデルの研究からスフィンゴシンの立体配置の違いは糖脂質の膜ドメインへのパッキングに影響を与えていることが示唆された。
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Research Products
(8 results)