2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18050043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山本 朗仁 独立行政法人理化学研究所, ボディプラン研究グループ, 研究員 (50244083)
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Keywords | Shisa / Wnt / FGF / 小胞体 / シグナリング制御 |
Research Abstract |
高等多細胞生物の発生・機能維持には、多様なシグナリングの活性化と抑制が中心的役割を果たす。一方、これらシグナリングを誘導する機能的なリガンドやレセプターを細胞膜上にセットアップするシステムや、それを制御するシステムは多くが未知のままである。申請者は小胞体内で未成熟なWnt及びFGFレセプターと複合体を形成し、タンパク成熟と細胞膜輸送を阻害することでシグナリングの受容を制御する小胞体分子Shisaの機能解析により、小胞体が細胞膜タンパク質の成熟制御に関わる役割を解明する。本年度はShisaファミリー分子群の同定と機能解析をDevelopment誌に発表した。Shisaはアミノ基側に特徴的な二つのシステインリッチドメインを持つ。このモチーフを持つ分子の検索にてShisa2と3を見いだした。両分子とも小胞体に局在し、Wnt及びFGFレセプターを小胞体内に留め、シグナリング抑制活性を示した。初期胚におけるShisa2の機能抑制はWnt及びFGFシグナルの異所的活性化を引き起こし、体節構造形成不全を引き起こす。この形質はWnt及びFGFシグナルを同時に抑制したときのみ回復する。これらの研究成果は、Shisaによる小胞体内シグナリング制御機構が、脊椎動物の頭部形成以外の幅広い生命現象で機能していることを示唆する。今後レセプター蛋白成熟過程を促進するShisa関連分子の同定と機能解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)