2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18051012
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木住野 達也 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 助教授 (70315232)
|
Keywords | インプリンティング / Snrpn / IC-transcript / DNAメチル化 / 卵 |
Research Abstract |
卵成熟過程における一次インプリントの獲得機構に関してマウスSnurf-Snrpn遺伝子(以下Snrpnと略)に焦点をあて、DNAメチル化の変化を解析した。Snrpnのプロモーターからイントロン1にかけての約5kbはdifferentially methylated region 1(DMR1)と呼ばれ、卵形成期にDNAメチル化が確立されると考えられていたが、実際にはDMR1のプロモーター領域である、DNase hypersensitivity site(DHS1)でのみ卵でメチル化されており、DHS1以外のDMR1領域は、着床後の胚発生過程で両アレルとも二次的にメチル化を受けていることが判明した。しかし例外的に脳では、DMR1領域のDHS2(CAS : conserved activator sequence)では父親アレルのみがメチル化を免れていた。一方Snrpnプロモーター上流のexon Unのメチル化解析を行ったところ、U1は脳でのみ部分的に父親由来アレルが低メチル化していたが、配偶子及び他の組織は両アレルともメチル化していた。U2は卵では低メチル化しており、脳では父親由来アレルが部分的に低メチル化していたが、精子、他の組織ではU1同様両アレルともメチル化していた。Snrpn遺伝子のalternative transcriptであるIC-transcriptは卵ではU2からのみ発現しており、脳ではU1, U2を含むUnから発現していた。最近、CAS領域はエンハンサー活性を持つことが報告された。この領域の組織特異的メチル化が、exon Uのメチル化と相関して脳、卵におけるIC-transcript発現を制御している可能性があり、今後さらに卵成熟過程におけるU2からのIC-transcriptの発現とDHS1のメチル化(germlineDNAメチル化)確立に関して、解析を進める予定である。
|