2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管の恒常性維持とリモデリングにおける外膜周囲脂肪組織の役割
Project/Area Number |
18052003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐田 政隆 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (80345214)
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Keywords | 脂肪 / 外膜 / 動脈硬化 / 血管 / 組織 / 内皮細胞 / 血管新生 / 炎症 |
Research Abstract |
・動脈硬化疾患の病態に関与する細胞の起源と運命を組織学的に検討した。 ・野生型マウスとLacZマウスとの間で異所性心臓移植を行ったところ、移植後動脈硬化病変の大部分の平滑筋細胞はレシピエント由来細胞で構成されていた。骨髄移植マウスをレシピエントに用いたところ、動脈硬化病変に骨髄由来平滑筋細胞が同定された。骨髄置換マウスの大腿動脈に機械的傷害を加えた。新生内膜の大部分と中膜の一部は骨髄由来のLacZ陽性細胞で構成されていた。同様の現象は、骨髄中のKSL分画(c-Kit+,Sca-1+,Lin一)の移植によっても認められた。高脂血症マウスに骨髄移植を施行したところ、粥腫の平滑筋細胞の半数は骨髄由来細胞であった。 ・骨髄もしくは造血幹細胞からαアクチン、カルポニン陽性細胞をin vitroで分化誘導できた。流血中の骨髄由来細胞が平滑筋細胞もしくは内皮細胞へ分化し、傷害後血管修復と血管病変形成へ寄与することを確認した。 ・高脂血症による粥状動脈硬化症において骨髄由来細胞が粥種内に浸潤して、プラークの進展と不安定化に強く関与することを明らかにした。 ・アンジオテンシンI型受容体欠損マウスとApoE欠損マウスを交配すると、通常のApoE欠損マウスに比較して動脈硬化の進展が高度に抑制された。また、動脈硬化のコラーゲンの量、平滑筋細胞含量が増加し、脂質量が低下した。このことから、I型受容体を介した刺激が動脈硬化の進展と破綻に重要であることを明らかにした。 ・骨髄由来前駆細胞を定量化するため、特異的細胞表面マーカーの同定を試みた。前駆細胞の動員、定着、分化、増殖を制御している因子を明らかにした。 ・Melcox樹脂を用いて、血管外膜周囲の毛細血管を走査型電子顕微鏡で観察した。外膜脂肪細胞が血管と解剖学的に近接関係にあり、外膜の液性因子が粥腫に直接アクセスする可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Transplantation of adipose stromal cells, but not mature adipocytes, augments ischemia-induced angiogenesis.2007
Author(s)
Sumi, M., Sata, M., Toya, N., Yanaga, K., Ohki, T., Nagai, R.
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Journal Title
Life Sci 80 巻
Pages: 559-565
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[Journal Article] Diverse contribution of bone marrow-derived cells to vascular remodeling associated with pulmonary arterial hypertension and arterial neointimal formation.2007
Author(s)
Sahara, M., Sata, M., Morita, T., Nakamura, K., Hirata, Y., Nagai, R.
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Journal Title
Circulation 115 巻
Pages: 509-517
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