2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18052007
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
青木 直人 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 助教授 (40242846)
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Keywords | 膜小胞 / MFG-E8 / adipocyte |
Research Abstract |
3T3-L1細胞を定法により分化誘導し、細胞内の脂肪蓄積が十分になるまで培養を続けた。2日間の培養(コンディション)培地を回収し,遠心分離を組み合わせて膜小胞画分(アディポソームと命名)を大量調製した。この画分を丸ごとトリプシンで分解後,液体クロマトグラフィーで分画し,質量分析装置を用いてアディポソーム構成タンパク質の網羅的解析を行った。その結果,分泌タンパク質やインテグラルタンパク質に加え,細胞質,核,細胞骨格タンパク質など由来を異にする多種多様なタンパク質がアディポソームに含まれることが明らかとなった。 アディポソームのマルチカーゴとしての機能を明らかにするために,上記プロテオミクス解析の結果明らかとなったマトリクスメタロポロテアーゼ(MMP)をターゲットとしてゼラチンセファロースによりアディポソームの単離精製を行った。局在タンパク質に対する特異抗体を用いたりウエスタンブロット解析を実施したところ,カベオリン,MFG-E8が検出され,これらタンパク質がMMPとアディポソーム上で共局在することが明らかとなった。 またアディポソームの分泌機構を探るために、各種培養条件(血清、各種増殖因子・サイトカイン、各種阻害剤、チアゾリジン誘導体などの添加)で脂肪細胞を培養後、集めた培養上清より定法によりアディポソームを調製した。特異抗体を用いたウエスタンブロット解析の結果,アディポソームマーカータンパク質MFG-E8の局在は,各種培養条件により変動することが明確に示された。さらにMFG-E8は肥満により肥大化した脂肪組織での発現も変動することから,アディポソームの生理的役割を示唆するデータを得ることが出来た。
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