2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞の細胞周期制御機構を治療標的とした肥満症治療法の確立とその応用
Project/Area Number |
18052012
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
阪上 浩 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60372645)
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Keywords | 脂肪細胞 / 肥満 / 細胞周期 / CDK2 / ノックアウトマウス / Skp2 / 膵β細胞 |
Research Abstract |
1.脂肪細胞分泌性増殖制御因子の培養細胞での機能解析とトランスジェニックマウスの作製 高脂肪食を負荷したC57BL/6マウスにおいて、経時的に脂肪組織よりmRNAを単離し、発現遺伝子をDNAマイクロアレイ解析にて検討したところ、脂肪細胞が増殖する時期に特異的に発現誘導される分泌性因子として、繊維芽増殖因子であるFGF13、Wntの抑制因子であるsFRP-5 (secreted-frizzled related protein-5)、アクチビンβ-Bの3遺伝子を同定した。 2.定量的脂肪細胞増殖評価法の確立と肥満ヒト患者での評価 細胞周期のG1/S期を直接制御するcyclin dependent kinase (CDK)のキナーゼ活性測定や細胞増殖マーカーのKi-67やPCNAの発現をヒト脂肪組織で比較検討し、肥満ヒト患者で脂肪細胞が増殖していることを見出し、その定量的評価法を確立した。 3.脂肪細胞特異的CDK2ノックアウトマウスの作製 CDK2遺伝子の第2、第3エクソン両端に、loxP配列を導入した変異CDK2遺伝子(CDK2floxアリル)を有するCDK2floxマウスと、脂肪細胞特異的にCreリコンビナーゼ活性が発現するaP2-CreERマウスとの交配を実施し、脂肪細胞特異的にCDK2をノックアウトしたマウスを作製した。 4.Skp2の肥満形成における役割 p27^<Kip1>の発現を蛋白レベルで抑制するユビキチンリガーゼSkp2の欠損マウスでは、脂肪細胞数の減少がエネルギー過剰状態での生体の糖代謝悪化や肥満形成に抑制的に作用することを明らかとした。さらには、Skp2が膵β細胞の増殖において、細胞周期制御分子の発現を制御する必須の分子であることを明らかとした(J Biol Chem. 2007)。
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Research Products
(5 results)