2006 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによる脂肪細胞の代謝内分泌機能制御の分子機構
Project/Area Number |
18052014
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
田辺 由幸 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (10275109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 貢一 静岡県立大学, 薬学部, 名誉教授 (50112769)
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Keywords | 脂肪細胞 / メカニカルストレス / ストレッチ / レプチン / TNFα / バイブレーション / アディポサイトカイン / 遊離脂肪酸 |
Research Abstract |
3T3-L1由来の成熟脂肪細胞(L1-adipo)、あるいは正常マウス(ddY系)の精巣周囲脂肪細胞(ddY-epi)および遺伝的肥満マウス(db/db)の皮下脂肪細胞(db/db-sc)に対して、周期的伸展刺激(ストレッチ)を与え、各種遺伝子の発現変動を解析した。調べた20種類の遺伝子のうち、摂食抑制作用を惹起するレプチンとインシュリン抵抗性を惹起するTNFαの発現が上昇することを見いだした(L1-adipo,adY epi)。このほかにもアポトーシス関連酵素(caspase-3)の増加(L1-adipo,db/db)、脂肪代謝関連酵素(lipoprotein lipase)の増加(L1-adipoのみ)、解糖系酵素(GAPDH)の減少(L1-adipoのみ)が有意な変化として検出された。インビボ脂肪組織への力学刺激の効果は、マウス腹部への局所バイブレーション刺激を負荷することにより調べた。15〜25週齢の成体マウス(ddY)を無麻酔条件下で保定し、精巣周囲脂肪組織を標的にして、腹部から1日2回の振動刺激(100Hz,30分間)を16日間与えた。この間、バイブレーション負荷群は刺激開始4〜7日後に、対照となる保定のみの群に比べて、体重減少が一過的に進んだが、その差は、統計学的に有意であったとはいえ、軽微なものであった。摂食量には差が無かった。振動部位直下の精巣周囲脂肪組織においては差が見られなかった。一方、腸間膜脂肪組織においては、脂肪組織重量ならびに中性脂肪含量の低下傾向が見られた(p=0.10,n=4〜6)。更に、血漿中の中性脂肪含量には差が見られなかったが、遊離脂肪酸(NEFA)量は、バイブレーション負荷群において低値を示した(p<0.01)。グルコース、レプチン、アディポネクチン等には差が見られなかった。次年度はより詳細な分子機構の解明を目指す。
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[Journal Article] Effects of olmesartan, an AT1 receptor antagonist, on hypoxia-induced activation of ERK1/2 and pro-inflammatory signals in the mouse lung.2006
Author(s)
Tanabe Y, Morikawa Y, Kato T, Kanai S, Watakabe T, Nishijima A, Iwata H, Isobe K, Ishizaki M, Nakayama K
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Journal Title
Naunyn-Schmiedeberg's Archives of Pharmacology 374
Pages: 235-248