2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞分化初期に機能する新規因子群のシグナル伝達連関の解明
Project/Area Number |
18052015
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今川 正良 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20136823)
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Keywords | 肥満 / 脂肪細胞 / 糖尿病 / 細胞分化 / 生活習慣病 / 転写因子 |
Research Abstract |
生活習慣病の克服には、脂肪細胞肥大化の研究と並び、脂肪細胞分化機構の解明も重要な課題である。しかし、脂肪細胞分化の初期における変化は不明な点が多い。我々は、すでに脂肪細胞分化の最も初期に発現が変動する遺伝子群を多数単離した。そこで本研究では、脂肪細胞分化初期におけるシグナル伝達の全容を明らかにすることを目的として、単離した因子群の脂肪分化に関わる影響ならびにそれらのシグナル伝達経路について検討し、以下の結果を得た。 1)分化の最も初期において必須とされるclonal expansionに対する各種因子の影響を検討したところ、fad24,fad49およびfad104が重要な役割を果たしていることを明らかとした。これらは、C/EBPβおよびC/EBPδの発現に密接に関わり、分化初期シグナルの伝達に重要な役割を果たしていることを明らかとした。 2)fad104のホモノックアウトマウスを作製したところ、生後1日以内に死亡することが明らかとなったため、MEFを用いて脂肪細胞分化に対する影響を検討したところ、fad104は分化のみならず、接着や細胞移動にも重要な新規遺伝子であることを明らかにした。 3)fad104のヘテロノックアウトマウスを用いて、普通食および高脂肪食で飼育し、体重変化などを検討したところ、ヘテロノックアウトマウスは太りにくいことが明らかとなった。さらにインスリンに対する感受性が高いことも明らかとなった。 以上のように、脂肪細胞分化初期に発現する新規遺伝子として、fad44,fad104およびfad49の3つの遺伝子を中心に機能解析を行い、いずれも脂肪細胞分化に重要な役割を果たしていることを明らかにした。今後更に解析を進め新たな肥満治療薬開発の足掛かりとしたい。
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Research Products
(1 results)