2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18052017
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石橋 俊 Jichi Medical University, 医学部, 教授 (90212919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永島 秀一 自治医科大学, 医学部, 研究生 (30406136)
田副 文子 自治医科大学, 医学部, 研究生 (20406127)
高橋 学 自治医科大学, 医学部, 研究生 (70406122)
王 暁黎 自治医科大学, 医学部, 研究生 (10458325)
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Keywords | 脂肪細胞 / トリグリセリド / リパーゼ / 肥満 / ヒト / 遺伝子発現 / インスリン抵抗性 / 脂肪酸 |
Research Abstract |
[目的]脂肪細胞lipolysisには複数のTG水解酵素が関与するが、それぞれの寄与や肥満との関係はあきらかではない。[方法]開腹手術症例34例を対象に、開腹部の皮下脂肪、大網、腸間膜脂肪を採取した。各脂肪組織におけるしTG分解酵素群{ホルモン感受性リパーゼ(HSL)、adipoce TG lipase (ATGL)、TG水酸酵素(TGH)}、TNFα、F4/80の遺伝子発現をreal-time PCR法を用いて定量した。さらにTG分解活性を脂肪部位別に測定した。それぞれの遺伝子発現量とTG分解活性、各種臨床指標との間の相関を調べた。[結果]対象群において、インスリン抵抗性指標(HOMA-R)はBMI、臍高部CTで算出される皮下脂肪面積(SFA)、内臓脂肪面積(VFA)、両者の和である総脂肪面積(TFA)と有意な正相関を示した。TFAは血清HDL-C値と負の相関を示した。脂肪部位別にみるとATGL、F4/80、TNF-αは皮下に比し大網で発現が亢進していたPLINは皮下で発現が亢進していた。TG分解活性は皮下で腸間膜より有意に活性が高かった。皮下、大網のTGリパーゼ活性はTFAと正の相関を示した。HSLは皮下において、BMI,血清インスリン値と負の相関を示し、大網ではウエスト周囲径と正の相関を示した。ATGLは大網でウエスト周囲径やTGリパーゼ活性と正の相関を示した。TGHは皮下、大網でTFAと正の相関を示した。さらに大網のTGHは血清LDL-Cと正の相関を示した。炎症性の各遺伝子は各種臨床指標との相関に乏しかったが、皮下大網でHSL,ATGL,PLINと正の相関を示した。[結論]皮下脂肪のTG分解活性は腸間膜より高く、また皮下のHSLは、肥満・インスリン抵抗性と負の相関を示し、lipolysisにおける負のフィードバック機構の存在が推測された。
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Research Products
(5 results)