2006 Fiscal Year Annual Research Report
グリア-ニューロン・クロストークに関与するATP/グルタミン酸放出性チャネル
Project/Area Number |
18053023
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 生理学研究所, 細胞器官研究系, 教授 (10025661)
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Keywords | グリア / アストロサイト / ニューロン / ATP / アニオンチャネル / グルタミン酸 |
Research Abstract |
アストロサイトはニューロンに構造的かつ機能的なサポートを与えると共に、他のアストロサイトやニューロンとの間に精巧なネットワークを構築して、双方向的に情報伝達を行っていることが明らかになってきた。このアストロサイト-ニューロン間情報伝達には、両細胞から放出されるグルタミン酸、ATPなどが重要な役割を果たしていることが知られている。しかしながら、これらの放出路の分子実体についての詳細は未だ不明である。本研究の目的は、それらの放出路を決定することである。平成18年度における本研究では、まず第1にアストロサイトの低酸素/虚血又は細胞腫脹刺激下でのATP放出の通路は、マキシアニオンチャネルであることを決定した。これまで他種細胞においてATP放出路として示唆されてきたエキソサイトーシス、ABCトランスポータ、ギャップジャンクション・ヘミチャネル、CFTRアニオンチャネル、マキシアニオンチャネル、VSORアニオンチャネルなどに対するブロッカーは低酸素/虚血刺激や低浸透圧性細胞腫脹刺激時におけるマウスアストロサイトからのATP放出に影響を全く与えなかった。一方、マキシアニオンチャネルのブロッカーはいずれの刺激によるATP放出をも著しく抑制した。また、マウスアストロサイトにこれらの刺激を与えると、ATP透過性を示すマキシアニオンチャネルが実際に活性化されることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)