2006 Fiscal Year Annual Research Report
BMP受容体シグナリングを介した小脳プルキンエ細胞のグリア細胞機能制御
Project/Area Number |
18053024
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山田 真久 独立行政法人理化学研究所, 山田研究ユニット, ユニットリーダー (60321832)
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Keywords | Bone Morphologic Protein / アストロサイト / グリア瘢痕 / siRNA / オクタアルギニン / リポソーム |
Research Abstract |
Bone Morphologic Protein(BMP)シグナルは、神経突起伸長やアストロサイトの細胞運命の決定および増殖に関与することが知られている。これまでに、BMPは脳血管新生に重要な役割を果たしていた。それは、アストロサイトに発現しているBMP分子の働きであることが示された(論文投稿中)。また、我々は神経損傷時にBMPシグナルがグリア瘢痕形成の一因となることを示した。BMP受容体遺伝子type IA遺伝子を欠損またはノックダウンすることによりグリア瘢痕形成を小さくすることが可能であることを示した。この反応性アストロサイトの形態変化には、アストロサイト内のBMPシグナルがコラーゲン遺伝子発現を制御していることによる可能性がある。このようなBMPシグナルを制御するシステムとして、新規に人工脂質2重膜(リポソーム)内にBMP受容体遺伝子の遺伝子発現を抑制可能なsiRNAを封入した粒子の作成に成功した。この遺伝子送達粒子は、siRNAを人工脂質二重膜で被い、さらに細胞膜透過性をもつオクタアルギニンを付加した直径300nmの粒子である。さらに、この粒子は細胞毒性が従来の遺伝子送達方法と比較すると大変低い性質を持っている。また、反対にBMP受容体遺伝子に点変異を加え、遺伝子産物により恒常的にBMPシグナルの下流が活性化できる発現ベクターを封入した。今後、このようなBMP遺伝子発現制御システムを小脳のスライス、培養下のアストロサイトへ遺伝子導入し、BMPシグナルカスケードの役割を検証する。
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