2007 Fiscal Year Annual Research Report
細菌2成分性膜孔形成毒素の「超チャネル」の構造と形成機構
Project/Area Number |
18054003
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Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
神尾 好是 Shokei Gakuin College, 総合人間科学部, 教授 (00109175)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / 細胞崩壊毒素 / ロイコシジン / γヘモリジン / 一分子技術 / ラフト / 2成分毒素 |
Research Abstract |
1. ヒト多型核白血球膜の不溶性膜画分(DRM)、ラフト上における黄色ブドウ球菌のロイコシジン膜孔オリゴマーの形成:黄色ブドウ球菌のロイコシジン(Luk)はLukSとLukFの2成分が共同してヒト多型核白血球(HPMNL)、単球、マクロファージなどを崩壊する。HPMNLにLukSを単独で作用させると、24%がラフト上に存在し、2成分を作用させた場合には膜に結合した毒素成分の90%がリング状複合体としてラフトに存在した。一方LukFは単独ではラフトには存在しなかった。10mMメチルβサイクロデキストリン処理によりLukのラフトへの集合が阻害され、崩壊活性は示さなかった。これらの結果からLukの2成分がヒト多型核白血球膜上の不溶性膜画分(DRM)ラフト上で膜孔オリゴマーを形成することを明らかにした。 2. 標的細胞膜ラフト上において膜孔の形成並びに膜孔クラスター化を実証した。すなわちCa^<++>包埋ラフトリポソームとメルカプトエタノール存在下でのみステムを形成するプレステムヘテロ7量変異中間体及びローダミン(Rod2)と反応させ、蛍光顕微鏡下でプレステムの本中間体Capドメインからの切り離しタイミングの可視化に成功した。さらに本リポソーム上における膜孔のクラスター化を「一分子測定技術」で可視化に成功した。 3. 膜結合型プロテインキナーゼの発見、及びリン酸化シグナル伝達系の解析: 界面活性剤NP-40で可溶化した白血球膜からラフトリポソームを調製し、本リポソームにLukS、LukF、ATPを添加した結果、LukS上におけるリン酸化反応が起きることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)