2006 Fiscal Year Annual Research Report
巨大モーター蛋白質ダイニンのX線による原子レベル構造研究
Project/Area Number |
18054008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 源嗣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (90294131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 和夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20111453)
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Keywords | X線結晶解析 / 分子モーター / エネルギー変換 |
Research Abstract |
我々は、モーター活性を保持し構造解析用に精製可能な組換え体タンパク質、細胞質ダイニンモータードメイン(DynMD)を用いてX線による構造解析を目指して研究を行ってきた。動的光散乱法(DLS)で、DynMDの分子サイズ均一性を確認し、併せて安定に存在する溶液状態の検索を行った。DLS解析により、均一な分子サイズをもち、かつ安定に存在する溶液条件を見つけることができた。この基本溶液条件をベースにタグ付き、タグ無しの二種類のDynMDを用いて、ヌクレオチド状態を色々変化させ網羅的に結晶化条件の検索を行っているが、現在までのところ単結晶は得られていない。細胞質ダイニンの微小管と結合する領域は、長いcoiled-coil領域によってATPの加水分解を行う球状ドメインと繋がれている。この微小管と結合するドメインはストークドメインと呼ばれている。100Åを超える長さを持つcoiled-coil構造が微小管結合とATPの加水分解という2つの連動したイベント情報を相互に伝えていることは間違いないが、その情報伝達の分子基盤については明らかになっていない。そこで並行して細胞質ダイニンストークドメインのX線結晶解析を行った。再現性良く棒状の結晶を得ることに成功し、抗凍結剤をソーキングで導入すると格子長の長い双晶結晶となり、抗凍結剤存在下で結晶化すると格子長の短い単結晶となることを突き止めた。抗凍結剤をソーキングで導入したSe-Met置換体結晶を使って2.8Å分解能のMADデータの収集に成功しているが構造解析には至ってい牟い。現在、グリセロール存在下で結晶化したSe-Met置換体結晶を使って、4.2Å分解能のMADデータの収集に成功している。10個あるMetを順番にAlaに置換した改変体の単結晶を順次作成し、低分解能ではあるが格子長の短い結晶で位相決定を行いたいと考えている。位相決定に成功した暁には、分子置換法により格子長の長い結晶に位相を展開し、原子分解能での構造解析を目指す予定である。
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[Journal Article] Atomic structure of plant glutamine synthetase : a key enzyme for plant productivity.2006
Author(s)
Unno, H., Uchida, T., Sugawara, H., Kurisu, G., Sugiyama, T., Yamaya, T., Sakakibara, H., Hase, T., Kusunoki, M.
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Journal Title
J. Biol. Chem. 281
Pages: 29287-29296
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