2006 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン超分子構造の発現の解明とモデルペプチドを用いた検証
Project/Area Number |
18054017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 健二 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30038020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 千鶴 大阪大学, 理学研究科, 特任研究員 (10418767)
川口 辰也 大阪大学, 理学研究科, 助手 (10314353)
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Keywords | コラーゲン / 高次構造 / 繊維形成 / 三重らせん構造 / ミクロフィブリル / D-スタッガー |
Research Abstract |
コラーゲン分子は会合して繊維を形成する際に隣の分子と分子軸方向に67nm (D-stagger)だけズレて会合する。このズレは、X線小角回折でも30〜40次の子午線反射として観測されるほど厳密なものである。本研究では、このズレの形成機構をコラーゲンのアミノ酸配列と我々が最近明らかにしたコラーゲン分子の平均構造に基づき解明する。本年度の成果は以下の通りである。 (1)ヒトのI型コラーゲンのα1鎖とα2鎖のアミノ酸配列中の疎水性アミノ酸残基(Leu,Ile,Val,Met,Phe)を1、それ以外のアミノ酸残基を0とし、Fourier変換より求まる主たるピークを逆Fourier変換することで、配列中の疎水性アミノ酸の分布における周期を調べた。その結果、長周期としては233残基(67nm)の周期、短周期として21残基の周期が観測でき、前者はD-staggerに、後者は我々の提案しているコラーゲンの分子構造である7/2-helix構造におけるペプチド鎖1回転中のアミノ酸残基数に対応していることが分かった。この解析は、1次元のアミノ酸配列に対するものである。次に、分子の平均的な立体構造を7/2-helixに固定し、3次元的に分子間の疎水性アミノ酸間の相互作用を検討したが、現在までのところD-staggerを説明することは出来ていない。 (2)一方、7/2-helix構造をとるコラーゲン分子上の部分電荷を用いて分子間相互作用を計算すると、隣の分子をDだけズラせた時にエネルギーの極小が観測された。今後は、静電相互作用による高次構造形成に更に詳細な検討を加える。
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Research Products
(6 results)