2007 Fiscal Year Annual Research Report
超原子価硫黄原子を有する超分子複合体蛋白質による過酸化水素還元反応の制御機構解明
Project/Area Number |
18054019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 豪 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20263204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 努 独立行政法人産業技術総合研究所, 企画本部, 企画主幹 (10357668)
石川 一彦 独立行政怯人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (90356436)
甲斐 泰 福井工業大学, 環境生命未来工学科, 教授 (40029236)
松村 浩由 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30324809)
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Keywords | 超分子複合体 / チオレドキシンペルオキシダーゼ / 中間体構造 / X線結晶構造解析 / 反応機構を解明 |
Research Abstract |
超好熱始原菌Aeropyrum pernix K1株由来のペルオキシレドキシン(Prx)であるThioredoxin Peroxidase(ApTPx)は、チオール依存型のペルオキシダーゼであり、過酸化水素H_2O_2やalkylperoxideを水やアルコールに還元する働きを持つ。ApTPxは、子量20万の10量体蛋白質であり、プロトマー1分子中に3つのシステイン残基(C50,C207,及びC213)を持ち、たとえば、過酸化水素を水に還元する反応を行う。これまでの研究から、ApTPxのアミノ酸配列は1-CysのPrxと相同性が高いのに対し、その反応機構は2-CysのPrxと同様に2つのシステイン残基(C50及びC213)が反応に必須であることが報告されている。 本研究課題では、変異体C50S,C20,7S,C213Sの結晶中で過酸化水素と反応させ、中間体構造を低温でトラップしてX線構造解析を行う方法で、ApTPxによるH_2O_2の還元機構の詳細の解明を目指した。その結果、C50SおよびC213SについてX線回折強度データの収集を行い構造精密化中で反応機構に関する知見はまだ得られていないが、C207S変異体からは、Cys50がCys-SHから、Cystein sulfenic acid (Cys-SOH)の状態へと酸化され、S-OH中間体を形成し、配位子数4の硫黄原子(10-S-4)を持つ超原子価構造をとることが判明した(Proceedings of the NattionalAcademy of Sciences USA(PNAS),in press)。
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Research Products
(8 results)