2007 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン結合タンパク質Winged eyeによるdecoding制御
Project/Area Number |
18055003
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉田 祥一朗 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (90221944)
|
Keywords | エピジェネティック / 発現制御 / 発生・分化 / ショウジョウバエ / クロマチン |
Research Abstract |
本研究の目的は、「ショウジョウバエの複眼を翅に改変できるクロマチン結合タンパク質Winged eye(WGE)によるエピジェネティックな制御を解析し、特定の遺伝情報の読み出し方を上位で制御する機構を理解する」ことにある。これにより、同じゲノム情報から個別の特異性が発現する機構と、均一な細胞集団の一部で、その特異性が決定される機構についての理解が進むものと期待できる。Wgeは、複眼を、前後軸・背腹軸を有するほぼ完全な構造を有する翅へと改変する遺伝子として、ゲノム機能を利用した網羅的探索により同定した遺伝子である。これまでに、クロマチン上のWGEは、ポリコーム遺伝子群(PcG)のPSC蛋白質のクロマチン上の局在部位のほぼ全てを含有することが明らかとなっている。そこで、PcGが作用するシスエレメントであるポリコーム応答領域(PRE)を用いたエピジェネティックな遺伝子発現制御を調べる系(Fab7)を用いて、WGEがどのようなエピジェネティック制御を行うのか調べた。その結果、クロマチン上でWGEとPSCが共局在することに対応して、wgeは、ホメオティック遺伝子であるAbd-BのPREに対してPcGと拮抗する作用を示すトリソラックス遺伝子群(trxG)様(活性化状態の維持)の作用を示すことが明らかとなった。さらに、酵母two-hybrid系でWGEと相互作用する、機能未知の新しいタンパク質、WGE interacting protein(WIP)が、WGEと同様にクロマチンの特異的な部位に結合することを見いだした。
|
-
[Journal Article] The YPWM-motif links Antennapedia to the basal transcriptional machinery.2008
Author(s)
Prince, F., Katsuyama, T., Plaza, S., Resendez-Perez, D., Berry, M., Kurata'S., and Gehring, W. J.
-
Journal Title
Peer Reviewed
-