2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム遺伝子Bmiー1によるエピジェネティクス制御
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18055006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩間 厚志 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70244126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 哲博 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (00381583)
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Keywords | ポリコーム遺伝子 / Bmi1 / Dmap1 / Dnmt1 / DNAメチル化 / gene silencing |
Research Abstract |
DNAメチル化修飾とピストン化学修飾はエピジェネティックな遺伝子発現制御において重要な役割をはたす。ポリコーム群遺伝子複合体はエピジェネティックな制御を担う分子群であり、遺伝子発現抑制の維持に関与している。今回我々は、幹細胞記憶の維持におけるBmi1の機能を検索する目的で、マウス造血幹細胞cDNAライブラリーを用いてyeast two-hybrid screeningを行った。その結果、Bmi1がDmap1(Dnmt1-associated protein1)を介してDNAメチル化酵素Dnmt1と会合することを見出した。哺乳動物細胞を用いた解析から、Bmi1-Dmap1-Dnmt1複合体の形成が確認され、遺伝子発現抑制の維持において、このBmi1-Dmap1-Dnmt1複合体がDNAメチル化制御に関与する可能性が示唆された。この仮説を検証するため、Bmi1欠損マウスの胎児肝造血前駆細胞を用いてメチル化パターンの解析を試みた。まず、Bmi1標的遺伝子座を同定するため、MS/RDA法を用いてゲノムワイドにBmi1欠損細胞と野生型細胞でのメチル化パターン変異部位を検索した。さらに脱メチル化剤5-Aza-dCを組み合わせることで、DNAメチル化感受性Bmi1標的遺伝子を複数同定した。クロマチン免疫沈降による解析から、Bmi1-Dmap1-Dnmt1複合体が標的遺伝子座のpromoter領域に局在することが確認された。最後に、Bmi1-Dmap1-Dnmt1複合体の生物学的意義を検討する目的で、Bmi1により遺伝子発現抑制が制御されているHox遺伝子群についても解析を行った。その結果、Bmi1により制御されるHox遺伝子の一部はBmi1-Dmap1-Dnmt1複合体により遺伝子発現が制御されていることが明らかになった。これらの所見は、ポリコーム遺伝子Bmi1がピストン修飾のみならずDNAメチル化パターンの制御にも働くことを示すものであり、エピジェネティック修飾制御による細胞記憶の維持におけるポリコーム遺伝子群の重要性を再認識させるものである。
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Research Products
(8 results)