2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18055009
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田上 英明 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 助教授 (70273216)
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Keywords | ヒストン複合体 / クロマチン制御 / ヒストンメタボリズム |
Research Abstract |
本研究はヒストン複合体解析を通してクロマチン形成やエピジェネティック情報維持の詳細な分子機構、および遺伝子発現に伴うクロマチン制御の解明を目指すものであり、平成18年度は以下の点を中心に解析を進めた。 出芽酵母、分裂酵母において、FLAG/HAエピトープタグを付加したヒストン遺伝子株を構築し、各種ピストン複合体を精製することに成功したが、出芽酵母、分裂酵母、ヒトでヒストンH3/H4複合体の構成因子が異なることを見いだした。とくに、分裂酵母ピストンH3複合体の主要構成因子の1つとして同定したMlo2は大量発現により染色体分配異常を引き起こす機能不明のタンパク質であった。今後、Mlo2複合体の精製、解析を進めることで、ヒストンメタボリズム制御との関連性を明らかにする。また、タンパク質総量としてはほとんど同じにもかかわらず、細胞抽出液から精製されるピストンH2A-H2B量は、H3-H4に比較して10倍以上多いことが明らかとなった。さらに、出芽酵母H2A-H2B複合体にはヒストンシャペロンNap1以外にFACT(Spt16、Pob3)が含まれることが明らかとなった。抽出されるH2A-H2B量の多さとFACTとの結合は、出芽酵母における遺伝子発現量とヒストンダイナミクスの関連性を示唆するものと思われるが、現在までに転写阻害剤添加によっては有意な違いは見出されていない。今後、in vitroクロマチン再構成系の構築を含めて解析を進める。 さらに、細胞周期に依存したヒストン複合体の動的変換について調べるために、cdc10温度感受性変異株にタグを付加したヒストンH3を導入し、同調培養条件でのヒストン複合体精製を行ったが、顕著な違いは見られなかった。しかし、その過程でヒストン遺伝子の3'UTR領域の新たな機能を見出し、解析を進めている。
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Research Products
(3 results)