2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子XGrhl3によるWntシグナル阻害メカニズムの解析と外胚葉分化
Project/Area Number |
18055011
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花房 洋 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (00345844)
|
Keywords | XGrh13 / 外胚葉 / Wntシグナル / 神経誘導 / Xenopus |
Research Abstract |
Xenopus初期胚外胚葉において表皮組織は、神経組織と拮抗的に形成されることがしられている。われわれは外胚葉の分化を制御する因子としてXenopus Grainyhead like 3(XGrhl3)を同定した。XGrhl3はXenopus初期胚予定表皮領域に特異的に発現し、神経胚期には神経板の前方に発現がみられる。外胚葉が表皮と神経に分化する際、BMPシグナルは表皮組織誘導因子として働く。これに対し神経組織が誘導される領域では、ChordinなどBMPアンタゴニストが発現しBMPシグナルを阻害している。このように神経誘導にはBMPシグナルの阻害が必須であることが知られている。これまでの解析から、XGrhl3はBMPシグナルの下流で機能し、表皮形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらに興味深いこおtに、XGrhl3がWntシグナルを阻害する活性を持つことを見いだした。本研究課題において我々はXGrhl3がどのようにWntシグナルを阻害するのか、その分子メカニズムの解明を試みた。その結果、XGrhl3は転写活性化因子としてWntシグナルの阻害因子の発現を誘導し、Wntシグナル細胞内伝達因子beta-cateninのレベルでWntシグナルを阻害することを明らかにした。さらにXGrhl3によって誘導される阻害因子の同定を、cDNAマイクロアレイを用いておこなったところ、mRNA decayに関与する因子の同定に成功した。これらの結果から、XGrhl3はWntシグナルをmRNAのレベルで制御している可能性が考えられ、現在その解析を進めている。
|