2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18055012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立花 誠 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (80303915)
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Keywords | ヒストン / 転写 / 複合体 / メチル化 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
現在、ヒストンのどのリジン残基がメチル化修飾を受け、それがどういったエピジェネティックな情報をコードしているのかが解明されつつある。我々はヒストンH3のリジン9(H3K9)をメチル化する酵素、G9aに関する研究を行ってきた。さらにヒストンメチル化酵素の機能を解明すべく、G9a複合体の機能解析も行った。その結果、G9aとGLPが分子量の比率が野生型の細胞では1:1の複合体として存在していることを見出した。その結合様式はG9a/GLP共にC末のSET domainに依存的であることも分かった。以上のことから、G9aはGLPとの複合体として存在するときに限って生体内でヒストンのメチル化酵素として機能しうる可能性が強く示唆された。 さらに詳細にG9a/GLPの機能の解析を進めるため、活性をなくしたG9a、あるいはGLP分子をそれぞれの欠損細胞に戻して表現型がどうなるのか詳細に検討した。予想に反し、G9aの酵素活性変異体を戻したときには生体内でのメチル化が回復されず、反してGLPの酵素活性変異体を戻した場合にはメチル化が回復した。以上のことは、G9aのアミノ酸構造がG9a/GLP複合体が生体内で酵素活性を発揮するのに重要である、ということを示すものであった。現在、変異G9a、GLPのノックインマウスを作成し、G9a、GLPの酵素活性変異型分子が個体発生にどう影響を及ぼすのかを解析している。
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