2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい内在性小分子RNAによるDECODE調節機構とRNAiの関係の解明
Project/Area Number |
18055018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田原 浩昭 Kyoto University, 医学研究科, 客員研究員 (90362524)
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Keywords | RNAi / 線虫 / C. elegans |
Research Abstract |
RNAiとは真核生物の細胞に二本鎖RNAを導入した場合に相同配列を持つ遺伝子の発現抑制が生じる現象であり、遺伝子発現を制御する新しい手段として有用である。我々は線虫C. elegansをモデル生物として用いてRNAiの反応機構について研究を行っている。これまで不十分であった生化学的な解析を進めるために、線虫の細胞抽出液を用いてRNAiを再現する無細胞反応系を本研究の準備期間に開発してきた。 前年度の研究において、線虫の細胞抽出液中で長いRNAの導入に伴ってsiRNAに類似した小分子RNAを産生するRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)の活性を見いだしていた。本年度にさらに詳しい解析を進めたところ、そのRdRP活性はRdRPドメインを持つRRF-1に主として対応することが分かった。そして、RRF-1複合体によってin vitroで合成された小分子RNAはDicerの産物である一次型siRNAとは構造が異なっており二次型siRNAの特徴を持っていること、RRF-1が合成した産物の多くは5'末端にグアニンを持つことを明らかとした。又、線虫におけるRNAi反応下流におけるmRNAの配列特異的な切断(RISC)活性を無細胞反応系で検出してきており、その活性を担う分子実体を探索した。様々なRNAi欠損変異体から細胞抽出液を調製しRISC活性を測定する実験を行った結果、二次型siRNAによって誘導されるRISC活性がArgonaute変異体の一つであるcsr-1において損なわれていることを見つけた。又、CSR-1のリコンビナント蛋白が二次型siRNAと一緒にmRNA切断活性を示すことも確認した。
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