2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18055020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北島 健二 Osaka University, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (10346132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
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Keywords | ES細胞 / 血液細胞 / 転写因子 / エピジェネティック / 幹細胞 |
Research Abstract |
赤血球分化に必須な転写因子GATA-1を欠損した未分化赤血球系細胞が、自己複製能と好中球・マクロフアージなどへ分化できる分化多能性を有することを見出した。そこで、この自己複製能・分化多能性獲得の分子基盤の解明を目的とした研究を行った。GATA-1欠損赤血球系細胞では、好中球・マクロファージの分化に必須な転写因子PU.1の発現が亢進していた。そこで、 short hairpin RNA(shRNA)によるPU.1の発現抑制を試みた。その結果、PU.1の発現抑制は、 GATA-1欠損赤血球系細胞の分化多能性を抑制した。この結果から、GATA-1欠損赤血球系細胞の分化多能性には、 PU.1の発現亢進が関与していることが明らかとなった。次に、GATA-1欠損赤血球系細胞へGATA]の強制発現を行った結果、自己複製能・分化多能性の消失・赤血球への分化、及びグローバルなピストン脱アセチル化、血液細胞の未分化状態の維持に関与する転写因子GAIA-2、c-mybの発現抑制、が認められた。そこで、野生型赤血球系細胞にヒストン脱アセチル化酵素阻害剤TSA処理を行った結果、赤血球への最終分化が阻害された。このことからGATA.1は、ヒストン脱アセチル化を誘導することにより、赤血球分化の進行を行つていること、及びGAIA-2、 c-mybの発現をヒストン脱アセチル化を介して抑制している可能性が考えられた。そこで、GATA-2 shRNA、c-myb shRNAを用いて発現抑制を行った結果、GATA-1欠損赤血球系細胞の細胞増殖が阻害された。以上の結果から、 GATA-1欠損赤血球系細胞では、GATA-2、c-myb、PU.1などの転写因子の発現が亢進が自己複製能・分化多能性の獲得に必須であること、及びGATA-1はヒストン脱アセチル化を介してこれらの転写因子の発現を抑制している可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)