2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御における基本転写因子TFIIDサブユニット(TAFs)の分子機能
Project/Area Number |
18055028
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
古久保 哲朗 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (10271587)
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Keywords | 転写調節機構 / 転写因子 / 基本転写因子 / 転写制御 / 出芽酵母 / TFIID / TAF / TBP |
Research Abstract |
コアプロモーター構造を認識する基本転写因子TFIIDは、TAエAボックス結合タンパク質(TBP)と14種類のTBP随伴因子(TAF1-14)から構成される巨大なタンパク質複合体であり、転写調節因子から受け取った信号を転写量の増減へと変換する上で中心的な役割を果たす。TAF1のN末端に存在するTAND(TAF N-terminal domain)は、TBPに強く結合する性質を持ち、転写調節因子の存在下においてTBPをTATAボックスに向けて放出する役割を担うと考えられている。昨年度までに、TANDはTAF1のN末端からC末端へ、さらにはTAF11のN末端、TAF3,TAF4,TAF5,TAF9のN, C両末端への異所移植が可能であること(移植しても正常のTAND機能を発揮できること)、及びTAF11のC末端に移植した場合には、TAF1,TAF6,TAF8,TAF9のTFIIDへの取り込みが阻害されることなどを示した。 今年度はさらに広い範囲でTAND機能の自律性を検証するべく、TAF6,TAF10,TAF12,TAF13,TAF14のN, C両末端への異所移植を行い、移植が可能である部位とそうではない部位(移植によってTFIIDの機能が阻害される部位)が存在することを見出した。現在、共免疫沈除法を用いて、TFIIDへの取り込みが阻害されるTAFの有無やその特定を含め、TFIID機能が阻害される原因に関して詳細な検討を進めている。 一方、第三、四、五、六染色体を約200bpの高解像度で網羅したタイリングアレイを用いて、TFIIDの全サブユニット及び基本転写因子群,NC2,SAGAの一部のサブユニットなどについてChIP-chip解析を行い、複数の興味深い新たな知見を得た。
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