2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規コアクチベーターによる転写過程の包括的調節機構の解析
Project/Area Number |
18055030
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久武 幸司 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (70271236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中太 智義 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10364770)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / クロマチン / コアクチベーター |
Research Abstract |
NF複合体のin vivoでの機能解析を行うため、siRNAにてNF90/110のノックダウンを行った。3種類のsiRNAを検討した結果、この中の2種類のsiRNAでNF90/110の発現低下が見られることが、抗NF90によって確認できた。この時、NF45の発現も同時に低下し、NF45、NF90/110は複合体形成によって安定化していることが推測された。この条件下では、血清によるc-fos mRNAの発現誘導が低下しており、c-fos遺伝子誘導でのNF複合体の関与が明らかになった。 c-fos遺伝子のプロモーターにルシフェラーゼをレポーターとしてつないだ系で解析を行うと、NF複合体の遺伝子を導入するとルシフェラーゼ活性が上昇し、NF複合体がc-fos遺伝子発現へ関与することが確認できた。興味深いことに、Ga14-VP16によって活性化するレポーター遺伝子にはNF複合体はまったく影響を与えず、NF複合体の作用にはプロモーター特異性があることが分かった。また、NF90およびNF110に変異を入れ二本鎖RNA結合能を低下させると、転写活性化能が著しく低下し、二本鎖RNA結合ドメインのRNA結合が何らかの形でc-fos遺伝子の発現を制御していることが示唆された。 NF45、NF90ないしはNF110にFLAGエピトープをつけ、これらの遺伝子を安定に発現するHeLa細胞株を樹立した。外来生のNF45、NF90ないしはNF110は内因性の各遺伝子とほぼ同じレベルで発現した。また、HeLa細胞株由来の抽出液を解析すると、導入したNF45、NF90ないしはNF110は内因性のものと同ように、核と細胞質に分布した。M2アガロースにて精製をすると、NF複合体には多くのタンパク質が結合していることが分かった。
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Research Products
(1 results)