2006 Fiscal Year Annual Research Report
体内イオンバランス調整に関与する遺伝子のイオノームによる解析手法の開発
Project/Area Number |
18056001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
信濃 卓郎 北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (20235542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 敏裕 北海道大学, 大学院農学研究院, 助手 (60360939)
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Keywords | ミヤコグサ / ICP-MS / イオノーム / 網羅的無機分析 / 必須元素 / 有害元素 |
Research Abstract |
ミヤコグサMG-20系統を用いて各種有害元素(アルミニウム、ヒ素、カドミウム、セシウム、鉛、モリブデン、ニッケル、塩、ストロンチウム)がその生育に影響が出ないギリギリの条件をSUBTOXIC LEVELとして決定した。この濃度を含む培養液を用いて、約50系統の異なるミヤコグサ系統の栽培試験と無機元素の吸収パターンを調査した結果、系統により大きな違いが存在し、特定の元素の吸収が著しく促進される系統も見いだされた。また、EMS処理による変異を種子に施し、そのM1種子からみかけは正常に生育している600株を用いてSUBTOXIC LEVEL(植物のみかけ生育に影響が認められない状態)の培養液での栽培によるスクリーニングを行い、必須元素も含めて元素の吸収割合に大きな変動が生じている変異株の選抜を進めた。このスクリーニングには硝酸-過酸化水素水による分解と引き続いてのICP-MS(Perkin Elmer DRC-e)による分析を組み合わせることにより、20種類の異なる元素に関して200本/日のハイスループットな分析が可能となった。微量元素の調査を詳細に行うために、試薬の選抜、ラインや器具の選択を予め十分に行う必要があった。得られた変異株に関しては、引き続いて種子を採取し、この種子に関してさらにSUBOTOXIC LEVELによる栽培と無機元素の含有率に関するスクリーニングを行って、変異が確実と考えられる株の選抜を進めた。これまでに、複数の元素における特異的に含有率が高まる変異個体の取得に成功しており、本手法の有効性が確認されている。
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