2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物の過湿ストレス耐性に寄与するトランスポーター遺伝子の機能解明
Project/Area Number |
18056005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中園 幹生 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70282697)
|
Keywords | イネ / 過湿ストレス / 低酸素 / トランスポーター / 根 |
Research Abstract |
これまでに、イネ品種「日本晴」を水耕栽培し、水耕液をエアレーションした処理区と、水耕液に0.1%アガーを入れたスタグナント液を用いた処理区に分けて、24時間後に根をサンプリングした。それらからRNAを抽出し、44Kイネオリゴアレイを実施した。その結果、低酸素条件に応答して、mRNA量の変化が起きたトランスポーター遺伝子が多数同定された。その結果、24時間の嫌気処理によって、mRNA量が2倍以上増加した遺伝子は1,350個で、逆にmRNA量が2分の1以下に減少した遺伝子は1,185個であった。それらの中で養水分吸収に関わるトランスポーター、チャネル、キャリアー等の遺伝子に関しては、mRNA量が2倍以上増加したものが39個(重複しているものを除くと26遺伝子)存在し、mRNA量が2分の1以下に減少したものが83個(重複しているものを除くと50遺伝子)存在した。 平成20年度は、嫌気条件下で発現量が変動した養水分吸収関連遺伝子の機能を明らかにする目的で、イネのレトロトランスポゾンTos17の挿入系統を入手し、材料の育成を行った。入手できたND8015(amino acidcarrier/transporter)、NC2778,NG1928(potassium channel)、NG0095,ND1017,ND0043(oligopeptide transporter)、NF2030,ND4281(sulfate transporter)、NE5006,NE8023,ND8041(NADH-GOGAT2)の11系統の種子(20粒)を水耕液でエアレーションしながら10日間生育させ、その後幼植物体をスタグナント液に移し、21日間嫌気処理を行った。根の成長が抑制された系統が存在したので、それらに対して詳細な解析を行っている。今後、それらの中から過湿土壌中における効率的な養水分吸収に寄与するトランスポーター遺伝子を同定したい。
|
Research Products
(4 results)