2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18056006
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅田 正明 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80221810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥島 葉子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00432592)
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Keywords | 植物 / 細胞増殖 / 細胞分裂 / 細胞周期 / サイクリン依存性キナーゼ / 側根形成 / 栄養シグナル / 情報伝達 |
Research Abstract |
根系の発達は土壌中の栄養分や植物体中の炭素/窒素比などにより大きく左右される。根系の大部分を成す側根は、主根の内鞘細胞が新たに細胞増殖を開始することにより形成される。そこで、本研究では側根原基形成と伸長過程における細胞増殖の制御機構について栄養シグナルの観点から明らかにすることを目的としている。 本年度は、シロイヌナズナの根端分裂組織および内鞘細胞における細胞増殖をモニタリングするツールとして、細胞周期制御因子のマーカーラインを作成した。具体的には、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)としてCDKAとCDKB2,サイクリンとしてCYCD4とCYCA3、CDKインヒビターとしてKRP7種類である。CDKAについてはプロモーター領域の欠失系統も作成し、通常の生育条件下における発現パターンについて解析した。その結果、組織特異的な制御領域と非特異的な制御領域がそれぞれ二箇所ずつ存在することが明らかになった。また、CDKB2についてはpromoter-GUSの他にpromoter-CDKB2:GUSも作成し、転写レベルとタンパク質レベルで発現パターンを比較できるような解析システムを整えた。これまでのところ、CDKB2はプロテアソーム系によるタンパク質分解を受けることが明らかになっている。一方、各種因子の機能的役割を明らかにするために、T-DNA挿入変異体の単離も進めてきた。サイクリンに関してはcycd4;1 cycd4;2二重変異体、cyca3;1 cyca3;2二重変異体を確立した。KRPについては、7種類のうち6種類の遺伝子について変異体を単離することができたが、いずれも通常の生育条件下では目立った表現型を示さなかった。今後多重変異体の作成を進めるとともに、窒素や鉄に応答した側根形成に注目して表現型解析を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)