2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物の高親和性硝酸イオン能動輸送体の活性制御と発現調節の機構
Project/Area Number |
18056008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小俣 達男 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (50175270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 真一 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (70335016)
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Keywords | 遺伝子 / 環境 / 植物 / 蛋白質 / 発現制御 |
Research Abstract |
1、PpNRT2;3の構造と機能の解析 ヒメツリガネゴケの主要NRT分子種であるPpNRT2;3が基質親和性の比較的低い輸送体であることを明らかにした。PpNRT2;3のC末端親水性領域に存在する2つの推定リン酸化配列と輸送活性のフィードバック制御の関係を検証するために、これら2つの一方、あるいは両方を改変したPpNRT2;3をもつ変異株の作製を試み、C末端に近い側のリン酸化部位の改変株を取得した。 2、ラン藻のNRT2ホモログの活性制御の有無 植物のNRT2に見られるC末端保存領域を欠くラン藻由来のNRT2ホモログ(NrtP)がフィードバック制御を受けないことを明らかにした。 3、硝酸イオンへの初期応答に寄与するNRT2分子種の同定 硝酸イオンによる誘導時に最も早く発現するPpNRT2;5が、他のNRT2遺伝子群の硝酸イオンへの応答に重要な役割を果たすことを明らかにした。 4、NR遺伝子多重変異株の作製 ヒメツリガネゴケのNRT2遺伝子群の誘導は二相性を示し、最初は硝酸イオン特異的に活性化され、数時間目以降には硝酸イオンと亜硝酸イオンによって活性化される。この2番目の硝酸イオンへの応答が亜硝酸イオンへの還元を必要とするか否かの判定に用いるため、既知の2つのNR遺伝子の二重変異株を作製した。 5、ヒメツリガネゴケPIIタンパク質の機能解析 遺伝子破壊株を用いた解析により、窒素同化の制御に関与するとされるPnが硝酸同化、アンモニア同化、およびアルギニン合成の制御には関与しないことを示した。 6、新規硝酸イオン輸送体LtnTの活性制御機構の解析 SulPファミリーに属する新規の硝酸イオン輸送体をラン藻から発見し、その活性が新奇のシグナル変換因子を含むHis-Aspリン酸基リレー系によって制御されていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Characterization of the nitrate-nitrite transporter of the major facilitator superfamily (the nrtP gene product) from the cyanobacterium Nostoc punctiforme strain ATCC 291332006
Author(s)
Aichi, M., Yoshihara, S., Yamashita, M., Maeda, S., Nagai, K., Omata, T.
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Journal Title
Biosci. Biotechnol. Biochem. 70
Pages: 2682-2689
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