2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物孔辺細胞に局在する電位依存性カリウムイオンチャンネルの構造と機能
Project/Area Number |
18056017
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
日び 隆雄 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (00285181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海藤 敏雄 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (80185701)
片野 肇 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (50264685)
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Keywords | カリウムイオンチャネル / 植物膜輸送 / 膜タンパク質 / 昆虫細胞発現系 / 蛍光タグ |
Research Abstract |
植物では、CO_2の取り込みとH_2Oの蒸散を巧みに制御するために気孔の開閉が調節されているが、その調節には気孔の孔辺細胞におけるK^+膜輸送が関わることが知られている。シロイヌナズナの場合、気孔が開く際に細胞内へK^+を選択的に透過させるための電位依存性K^+チャネルとしてKAT1が存在する。 これまでに昆虫細胞/バキュロウィルス発現系を用いてKAT1を発現させることはできたが、その際、C末端側でのプロセシングとともに細胞膜以外の細胞内小器官へ移行する可能性が示された。そこで、発現させたKAT1の品質と細胞内局在性との関連を調べるため、GFPタグを導入したGFP融合型KAT1発現系を構築し、発現条件を調べた。さらに、GFPタグ由来の蛍光を指標としてKAT1GFP可溶化条件のスクリーニングについて検討を行った。 [方法と結果]KAT1の細胞内での局在性を調べるために全長型KAT1およびKAT1C末端欠損変異体のC末端側にGFPタグを導入し、昆虫細胞/バキュロウィルス系を用いて発現させた。KAT1を発現させた昆虫細胞の細胞膜画分をショ糖密度勾配超遠心分離法により調製した後、蛍光法およびウエスタンブロット法によりKAT1を検出した。その結果、ウィルス感染後3日目では、全長型KAT1GFPが細胞膜に局在するのに対して、C末欠損体は細胞膜以外の小器官にも移行することが判明した。 次に、40種類の界面活性剤について全長型KAT1GFPの可溶化条件をスクリーニングした。その結果、KAT1GFP可溶化に有効な界面活性剤が数種類見いだされた。アフィニティークロマトグラフィーによる精製の結果,100mLの培養液中から、約0.1mg程度のKAT1が得られた。
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