2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18056018
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
井藤 純 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 協力研究員 (20373269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 貴志 東京大学, 理学系研究科, 助教授 (10311333)
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Keywords | 維管束 / 極性 / 小胞輸送 / Rab GTPase |
Research Abstract |
道管形成における極性の決定及び維持に関わるRab GTPaseの同定とその役割の解明を目的として,本年度はシロイヌナズナRab11 GTPaseの網羅的な解析に着手した.Rab11は動物の発生過程に見られる極性決定に関与するRab GTPaseであり,そのホモログは高等植物に非常に多く存在しているが,それらの局在や機能ははとんど解明されていない.シロイヌナズナゲノム中には57個のRab GTPase遺伝子がコードされており,そのうち25個が動物のRab11と高い相同性を示している.そこでまず,シロイヌナズナ全Rab11遺伝子の単離を行い,現在までに24種類のクローニングが完了している.クローニングが完了したRab11遺伝子をGFPを融合させた一過的発現用ベクターを用いてシロイヌナズナ培養細胞に一過的に発現させたところ,ドット状のオルガネラと細胞質に蛍光が観察された.現在,様々なオルガネラマーカーを利用してドット状のオルガネラの同定を進めている.今後,木部形成過程,とくに極性の確立におけるRab11の動態変化を共焦点レーザー顕微鏡観察により追跡していく. 既にジーンチップ解析及び発現解析により道管要素分化に関与している可能性があるRab11遺伝子を複数見出している.そこで,それらの機能欠損が道管形成に与える影響について解析するため,各rab11ノックアウト変異体の収集及び戻し交雑を行った. 今後,それらの変異が道管形成に与える影響を調べるとともに,他のRab11メンバー及びエンドサイトーシス経路で機能する他のRab GTPaseファミリーやSNAREとの遺伝学的相互作用についても解析を行う.
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