2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂質修飾にスポットライトをあてたG蛋白質と光シグナリングの解析
Project/Area Number |
18057007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深田 吉孝 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (80165258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 大輔 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (60376530)
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Keywords | G蛋白質 / 光受容体 / 網膜 / 桿体 / 脂質修飾 / 松果体 / 視覚 / 概日時計 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 1.GtγC71stopノックインマウスの作製:網膜光受容細胞のG蛋白質トランスデューシンの脂質修飾の役割を調べるため、イソプレニル化Cys残基を欠失したトランスデューシンγサブユニット(非修飾型Gtγ)を発現する組換えマウスを作製した。具体的にはまず、マウスGtγ遺伝子のCys71(ファルネシル化部位)の位置に終止コドンを挿入し、翻訳産物がイソプレニル化に必要なCAAXモチーフを持たない(つまり翻訳後修飾を受けない)非修飾型Gtγに改変した。次に、この改変Gtγ遺伝子(C71stop)をターゲッティングベクターに組み込み、ES細胞における相同組換えを行った。この組換えES細胞株を用いて、Gtγ-C71stopノックインマウス(C71stopマウス)を作製した。さらに、このC71stop変異のホモ接合体を作製して網膜抽出液の電気泳動解析を行なったところ、発現しているGtγはイソプレニル化修飾を受けていないことが確認された。 2.概日光需要蛋白質メラノプシン調製と光照射実験:メラノプシンーG_<11>経路の生化学的解析に向けて、HEK293細胞を用いた組換えメラノプシンの発現系を構築した。すなわち、ニワトリ松果体由来のメラノプシンcDNA(Opn44)を改変してHEK293に導入し、C末端に1D4タグを付加したOpn4-1蛋白質を強制発現した。この細胞に発色団11-cis-retinalを添加した後、界面活性剤を用いて蛋白質を抽出した。得られたOpn4-1試料の光照射実験を行ったところ、光感受性色素の生成が確認された。,一方、Opn4-1の重複遺伝子(Opn4-2)がニワトリ松果体において発現していることを見出した。さらに松果体由来のcDNAを詳細に解析したところ、Opn4-1およびOpn4-2それぞれに2種類のスプライスバリアント(LおよびS)が存在することが明らかになった。
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