2006 Fiscal Year Annual Research Report
RhoファミリーG蛋白質シグナル伝達系の神経細胞移動における働き
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18057010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
星野 幹雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (70301273)
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Keywords | 神経系 / 発生 / 神経細胞異動 / 運命決定 / 変異マウス / 小脳 / 大脳皮質 / 転写因子 |
Research Abstract |
1 RNAi-子宮内エレクトポレーション法によるRac1,RhoAエフェクターのスクリーニング Rac1およびRhoAの全ての既知エフェクターに対するRNAiをマウス胚の脳組織へ導入し、神経細胞移動への阻害効果を観察することによって、神経細胞移動に関与するエフェクターを同定を試みた。今のところ、PAK1を初めとしていくつかのエフェクターの同定に成功している。PAK1に関しては、RNAiだけでなく、変異を入れた蛋白質の発現によっても、その重要性を確認している。どうやら、異動神経細胞の極性形成に関与しているということが明らかになってきた。 2 薬剤による神経細胞移動に関与する分子のスクリーニング 現在では様々な分子の機能阻害剤が市販されている。GFP発現ベクターを子宮内エレクトロポレーションによりE14胎児脳に導入し、E16でその脳組織のスライス培養+タイムラプス観察を行った。様々な分子の機能阻害剤(特にRhoファミリー情報伝達系に関与することが知られている分子、特にキナーゼ)を加え、GFPで標識された移動神経細胞の動態に影響を与えるものをスクリーニングし、いくつかのキナーゼ阻害剤が得られた。これらの阻害する蛋白質について、1と同様にRNAi-子宮内エレクトロポレーション法で検定しており、現在いくつか関与分子が同定されている。 3 Ptf1a遺伝子の果たす役割の解析 子宮内エレクトロポレーションによってPtf1a遺伝子または空ベクターを導入された神経細胞をそれぞれFACSによって集め、両者で異なる発現をする遺伝子をマイクロアレイで選択し、その発現様式・機能を、個体レベルおよび細胞生物学レベルで調べようとしているが、これは未だにRNAを採取した段階である。今後これを精力的に行って行く。
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