2006 Fiscal Year Annual Research Report
GDP結合型G蛋白質と受容体とのイニシャルコンタクトのメカニズム
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18057011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (60127090)
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Keywords | Gタンパク質 / ロドプシン / シグナル伝達 / 共役特異性 / 分光学的手法 / タンパク質発現 / 中間体 / 変異体解析 |
Research Abstract |
研究計画書に記載の実験計画に従い、以下の研究を行った。 我々は、ロドプシンを実験材料とすると、Gタンパク質の活性化機構を時間分解能の高い分光学的手法を用いて観測できることに着目して研究し、従来ロドプシンのGタンパク質活性化中間体と考えられてきたメタII中間体の前に新たにGタンパク質と相互作用する中間体(メタIb)を発見した。この状態はGタンパク質とのイニシャルコンタクト(状態I)の状態であると考えられる。そこで、この状態でGタンパク質サブタイプの選別が行われているかを検討するために、C末端アミノ酸が各種のGタンパク質サブタイプの配列になったGi-α-サブユニットの変異体を発現させ、ウシ網膜から調製したロドプシンを含む膜試料と混合し、これらのGタンパク質存在下でのメタIbおよびメタIIの挙動変化を測定した。その結果、GiグループであるGoのC末端アミノ酸配列をもつGタンパク質はメタIbと相互作用し、そのアフィニティーの強さはGt(Gi)のC末端アミノ酸配列をもつGタンパク質に比べて約1/2であった。また、このGタンパク質はメタIIとも相互作用し、そのアフィニティーの強さはメタIbの場合と同様約1/2であった。一方、GqおよびGsタイプのC末端アミノ酸配列をもつGタンパク質とは、両中間体ともに相互作用しないという結果が得られた。以上のことから、メタIbですでにGタンパク質サブタイプの選別が行われていることが明らかになった。なお、培養細胞系で発現させたロドプシンおよび細胞外第3ループをGo共役型ロドプシンの細胞質に置換したロドプシン変異体については、かなりの試料を要する分光学的な実験をするためには発現系の効率的な整備が必要であることがわかった。
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