2006 Fiscal Year Annual Research Report
酵母細胞における低分子量G蛋白質の時間、空間的制御機構の解明
Project/Area Number |
18057025
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
黒川 量雄 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 研究員 (40333504)
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Keywords | 小胞輸送 / FRET / Yptファミリー / Arfファミリー |
Research Abstract |
分子スイッチであるG蛋白質が細胞機能発現に特異性と多様性をもたらす機構を解明するには、スイッチのオン、オフが細胞内の「いつ、どこで」起きるかを明らかにすることが必要である。本研究では、生細胞内蛋白質の活性変化に伴う構造変化や蛋白質間相互作用の解析に有効な研究手法である蛍光共鳴エネルギー移動(FRET-Fluorescence Resonance Energy Transfer)の原理を利用して、蛋白質輸送経路で働く低分子量G蛋白質であるArfファミリー、YptファミリーG蛋白質の時間・空間(3次元)的相互作用を可視化するすることを目的としている。系として出芽酵母を用いることで、精度の高い遺伝解析とFRETプローブを用いたG蛋白質活性の時空間情報解析と組み合わせて、各種制御因子や他のG蛋白質との相互作用などによるArfファミリー、YptファミリーG蛋白質の時間・空間制御機構を解明したい。本年度は、2分子FRETの系を用いてArfファミリーのSar1pとその活性化因子であるSec12pとの相互作用と、Yptファミリーの一員であるYpt31pとその標的分子であるSec2pとの相互作用の可視化をおこなった。 Sec12pとSar1pにCFPとYFPを結合した融合蛋白質を出芽酵母へ同時に発現させた。Sec12pとSar1pはともに小胞体膜上に局在し、FRETにより小胞体上での結合が可視化できた。出芽酵母が極性増殖する際の母細胞及び娘細胞の小胞体上のFRET効率を比較したところ、同程度の効率であった。Ypt31pとSec2pにCFPとYFPを結合した融合蛋白質を出芽酵母へ同時に発現させ相互作用を可視化した結果、出芽部と分裂隔壁周辺で相互作用の効率が高いことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)