2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18058009
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Research Institution | Transdisciplinary Research Integration Center |
Principal Investigator |
柳原 克彦 Transdisciplinary Research Integration Center, 新領域融合研究センター, 特任准教授 (20362543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 玲子 情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイエンス統合データベースセンター), 新領域融合研究センター, 融合プロジェクト特任研究員 (50372595)
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Keywords | トランスポゾン / DNA組換え / ファージ / 複合体形成 |
Research Abstract |
Muは,DNA複製を伴う転移を繰り返すことでコピー数を増やすファージで,転移反応を触媒するMuトランスポゼースとMu配列の右端50bpと数bpのフランキング配列のみで転移反応を再構成することができる。Mu配列の右端50bpは,その末端塩基が転移反応の際に切断され,さらに転移先につなぎかえられる。Muトランスポゼースは,末端5bpから50bpの間の二つの順向き繰り返し配列に結合することが報告されている。これまで,Mu配列の末端塩基を置換すると転移が起きないばかりか,トランスポゼースの四量体とMu DNAからなる高次複合体も形成できないことが知られていた。これに対し我々は,末端塩基が置換されていてもフランキングDNAが対合していなければ高次複合体が形成されることを見出した。この複合体は切断活性は無いが,つなぎかえの活性はあるものであった。さらに,Mu配列の末端を含む5bpを欠失したDNAでも転移活性のある高次複合体と同様の複合体が生じることを見出した。さらに,Mu配列の右端50bpにある二つのMuトランスポゼース結合部位の問に5bpを挿入すると複合体が形成されなくなるが,11bpを挿入すると効率よく複合体が形成されることを発見した。挿入配列が長くなるにつれ複合体はほとんど形成されなくなるが,挿入配列にニックを導入し大腸菌のHUタンパク質を加えることで活性のある高次複合体が再び形成されるようになった。以上の知見は,酵素の結合部位と作用部位が相互作用しながら酵素活性の発現につながる複合体形成を制御していることを示すものである。また,Muのミスマッチ特異的転移反応を応用し,特定の遺伝子に変異を持つラット個体をライブラリーから特定する方法を開発した。
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