2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18058010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 純子 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (10323809)
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Keywords | テロメア / 分裂酵母 / DNA複製 / チェックポイント |
Research Abstract |
Tel2/Clk-2ファミリータンパク質は、酵母からヒトまで広く保存されており、テロメアDNA長制御、DNA損傷・複製チェックポイント、概日リズム制御などに関与することが明らかにされている。しかし、その具体的な分子メカニズムは不明であった。そこで、我々は分裂酵母のTel2タンパク質をゲノムデータベースにおいて同定し、その機能解析を行った。分裂酵母Tel2は増殖に必須であり、その遺伝子破壊株は胞子から発芽してから数回分裂した後、G1期において細胞周期進行を停止する細胞の割合が増加した。このことから、Tel2は細胞周期において、S期への正常な進行に必要であることが示唆された。次に、Tel2発現抑制株を作製し、chk1変異と組み合わせることにより、DNA複製阻害に対して非常に強い感受性を示すことがわかった。しかし、cds1変異との組み合わせではそのような表現型は観察されなかった。そこで、Tel2がDNA複製チェックポイント経路の活性化に関与しているのかどうかを調べた。様々な解析より、Tel2はCds1の上流でCds1の活性化に必須なMrc1の活性化に重要であることがわかった。さらに、tel2変異はDNA複製フォークの安定化に必要なswi1変異と組み合わせることにより、自発的なDNA損傷の頻度が著しく亢進し、それに伴って生存率も著しく低くなったことから、Tel2は複製フォークの安定化とDNA複製チェックポイントをリンクする因子であることが示唆された。
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