2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18058010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 純子 Kyoto University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (10323809)
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Keywords | 染色体 / テロメア / Rapl / Pot1 |
Research Abstract |
真核生物の染色体末端には、テロメアという構造が存在し、様々な重要な役割を果たしている。テロメア繰り返し配列からなるテロメアDNAは、最末端の一本鎖部分とその内側の二重鎖部分からなる。分裂酵母の一本鎖テロメアDNAには、Pot1タンパク質が結合し、二重鎖テロメアDNAにはTaz1タンパク質が直接結合することが知られている。これまでに我々は、Rap1がTaz1に結合することによってテロメアにリクルートされ、テロメアDNA長を負に制御することを明らかにした。Rap1の分子機能を具体的に明らかにするため、Rap1と相互作用する因子を同定することを試みた。まず、Rap1を細胞抽出液から免疫沈降し、その沈降物に含まれるタンパク質を質量分析により調べた。Rap1に特異的に相互作用する因子として、Pot1, Tpz1, Poz1, Ccq1, Taz1などを同定した。免疫沈降実験およびtwo-hybrid assayにより、Pot1にTpz1が結合し、さらにTpz1にPoz1およびCcq1が結合することがわかった。さらに、Rap1はPoz1と直接結合することがわかった。様々な解析により、Taz1-Rap1-Poz1-Tpz1-Pot1という複合体が形成されている時には(二重鎖テロメアDNAが十分長い時)、テロメラーゼのテロメアへの作用が負に制御され、テロメアDNAはそれ以上伸びないようになり、上記の複合体が形成されない時には(二重鎖テロメアDNAが短い時)、Ccq1の働きによってテロメラーゼがテロメアに作用し、テロメアDNAが伸びると考えられた。
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