2006 Fiscal Year Annual Research Report
染色体恒常性維持における新規DNAモータータンパク質の機能
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18058013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
品川 日出夫 大阪大学, 微生物病研究所, 招へい教授 (40029799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱田 卓 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60335388)
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Keywords | DNAヘリケース / 分裂酵母 / DNA組換え / DNA修復 / ゲノム安定化 |
Research Abstract |
我々が分裂酵母を用いて新規の組換え修復遺伝子として同定したfbh1遺伝子のコードするタンパク質はSCFユビキチンリガーゼ複合体の基質認識サブユニットの特徴であるF-boxモチーフをもち、同時にDNAヘリケースの活性を持つ今迄に類の無いユニークなタンパク質である。Fbh1の活性に対するSCFの影響を調べ、Fbh1タンパク質の機能ドメインの解析をおこなった。 本年度の主要な研究実績 1.Fbh1タンパク質の機能ドメインの解析 分裂酵母のfbh1遺伝子の各種のF-boxのミュータントを用いて、in vivoではDNA修復能、Skp1タンパク質との結合能、損傷後のfoci形成能などを調べた。F-boxのミュータントはDNA修復能が欠損変異と同等に下がり、Skp1タンパク質と結合できなくなっていた。また損傷後のfoci形成能も失われてた。この結果はFbh1が損傷DNA部位に移動して作用するためにSkp1と結合して、その助けが必要であることを示している。 2.Fbh1-SCFユビキチンリガーゼ複合体の組換え修復での役割の解析 Fbh1-SCF複合体はリン酸化タンパク質をユビキチン化すると考えられている。Rad55が出芽酵母でリン酸化されるので、ターゲット候補としてin vitroでのRhp55のユビキチン化を検証するために抗体によるRhp55を検出するシステムを構築した。 3.FBH1ノックアウト細胞の作成とその病態の解析 遺伝子ノックアウトが容易なニワトリDT40細胞を用いて、fbh1のノックアウト細胞を作成して、放射線感受性、発がん剤に対する感受性を調べた。酵母で調べた染色体分離分配の異常がみられたが、放射線には感受性が増加しなかった。高発がん性の遺伝病の原因遺伝子Bloomと二重変異にすると、ゲノム分離異常が単独のミュータントより増加し、DNA鎖に切断をいれるCamptohtecinに感受性が高くなった。此れ等の結果は、Fbh-1とBloomタンパク質はDNAヘリカーゼとして、ゲノム安定性の維持と修復において一部重複した機能を有していることを示している。
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[Journal Article] Cooperative Roles of Vertebrate Fbh1 and Blm DNA Helicases in Avoidance of Crossovers during Recombination Initiated by Replication Fork Collapse.2007
Author(s)
Kohzaki M, Hatanaka A, Sonoda E, Yamazoe M, Kikuchi K, Trung NV, Szuts D, Sale JE, Shinagawa H, Watanabe M, Takeda S
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Journal Title
Mol Cell Biol. (In press)
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