2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18059002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 芳夫 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00133942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大佐賀 敦 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00396433)
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Keywords | パッチクランプ法 / 核膜小胞体 / 出芽機構 / 膵腺腺房細胞 / Maxi-Kチャネル / 膜容量 |
Research Abstract |
小体輸送の基点は核膜小胞体の出芽機構にある。出芽は、膜の微小部位(脂質二重膜)が球形に変異して細胞質側に凸に突き出ることであり、それが完成すれば、出芽とそのドノアーである小胞体膜は電気的に分断され小胞体膜の電気的膜容量の減少をみる。核小胞体標本を作製し、それにパッチクランプ法電流測定法および膜容量測定法を適用することで、1)出芽過程を経時的に記録し、解析に附することができるような方法論を確立すること、2)小胞出芽の開始シグナルを細胞特異的な機能的側面から同定すること、3)出芽小胞の形態維持に関するイオンチャネルの役割(水・イオンバランス)をみること、の3点を目的とする。今回、膵腺腺房細胞より核膜標本を作製し、背景となるイオンチャネルの動態を調べ、以下の知見を得た。 1.膵腺腺房細胞からの核膜標本には以下のチャネルが存在した:(1)200pS Maxi-K channel,(2)80pS K-channel,(3)30pS cation-channel,(4)7pS Cl-channel,(5)300pS IP3R-channe((type 3),(6)55pS cADPR or NAADP-dependent channel. 2.核膜・小胞体Maxi-Kチャネルは、小胞体膜電位により制御され、小胞体内腔カルシウムによって活性化される。その発現はage-dependentであり、細胞膜への発現に先行する。おおよそ8週令より発現がみられ、発現率は週を追って増加し、18週でほぼ100%に達する。 3.小胞体内腔カルシウムの増加は、核膜小胞体標本の膜容量を増加させる。
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